2018-11-20
育成

沖縄の子どものポテンシャル

先日、ラジオ局のFMぎのわんさんに出演させていただきました。

その際に、様々な質問を受け、自身の考えや、印象を改めて言語化する機会になりました。率直に沖縄のサッカーについての印象についても、話したいことがありすぎて、こちらで続きを綴ってみました。

先月、関東に研修で行き、様々なチームや指導者の方と話した際に、沖縄出身の選手のポテンシャルの高さについて高く評価されていました。

身体能力が高く、独特のリズム感がある、という評を今までも何人もの指導者から聞いていましたが、最近は小学生も中学生もいい成績を残すことが増えてきましたし、Jリーグのスカウトも沖縄までよく足を運んでいるようです。

また、歴史的にみても、沖縄は島なので様々なルーツを持った渡来人も過去には多かったでしょうし、現代においても基地もあり、ハーフの子も多いように感じます。そのあたりから、独特のリズム、というのが生み出されるかもしれません。

実際に小学生年代の選抜チームの子は、他県に比べて大きかったり、スピードがあったり、体が強かったり、という部分は多くみられ、個々の技術レベルもあります。また、聞かれたのが、普段どんな環境でサッカーをしているのか?ということでした。

沖縄にも様々なチームがあり、スクール、クラブチーム、部活などの取り組みは様々にあります。唯一コレ、というものはありませんが、沖縄に住んでみて、子どもたちの周りの環境について、知ってもらうために少しだけ、主観でまとめてみました。

明るい子供に、恵まれた環境

まず第一に子供たちが明るく、元気!道を歩いていても、こんにちは、と知らない子に挨拶をされたり、息子を公園に連れていくと、すぐに寄ってきて、一緒に遊んでくれたり、危ないシーンでは、声をかけてくれる。

面倒見のいい子が多い。出生率が全国で断トツトップなので、兄弟も多く、ひとつの小学校にいる生徒数が多く、千人クラスのマンモス小学校、中学校が多いのは、びっくりしました。

その子供たちの身の周りに運動できる環境がたくさんあるというのもとてもいいことです。

神奈川など首都圏の小学校の放課後は、学校解放されていないところが多く、平日の放課後のグランドが使えるところは、そう多くはありません。ですが沖縄の小学校のチームは放課後に、野球やサッカー、ハンドボールなどの活動が盛んです。学校帰りにそのまま運動できます。

さらに体育館、陸上競技場などの施設が充実しています。陸上競技場で様々な人が異なるスポーツを楽しめるようになっていること、しかもその多くが無料でできるようになっている。屋内の施設も充実しており、ハンドボールやバスケットボールもとても盛んで、運動施設がとても多いです。

バスケットコートは屋外にも多数あり、レベルが高いのも頷けます。

私自身は神奈川出身で、スクールやチーム活動をする際に一番問題になるのが、グランドです。沖縄には他県が羨むほどにいいピッチがたくさんありますし、その多くが天然芝。神奈川でも人工芝のピッチやフットサルコートが増えてきていますが、フルピッチの天然芝のグランドは管理も難しく、あまり多くはありません。 

キャンプシーズンの間は使えないこともありますが、どの地域にも素晴らしいピッチがあります。

また、大きな公園が至る所にあり、小学生の体育館程度の公園は更に多数あり、地元の公園と比べて、大きさや充実ぶりに驚いています。実家に帰省した際に、息子を遊ばせる場所が本当に少ないと感じてしまいましたが、これは逆に沖縄がとても恵まれていることだと思いました。

ビーチも当然ながらたくさんあり、そこでビーチサッカーやビーチバレーも気軽に楽しめます。砂浜での運動は、それだけで体幹を鍛えたり、筋肉や関節の柔軟性を高めてくれます。もちろんすぐ泳ぐこともできます。

夏場は暑いですが、湿気は少なく、最近の首都圏や内地の猛暑に比べて、気温も安定していて、過ごしやすい環境だと思います。ただ、沖縄の冬は期間が短いですが、風が冷たく気温も下がり非常に寒いので、常夏の島、というわけではありません。※私もですが、これには多くの内地のひとは驚きます。

実は減少傾向のサッカー人口

こうした恵まれた環境ではありますが、すべてがうまくいっているかというと、そうではありません。

FC琉球のJ2昇格も決まり、サッカーも盛り上がる、子供も増えているしサッカー人口はどんどん増えている!と思っていましたが、

過去5年間のサッカー人口を遡ると、実はかなりの減少傾向にあります。

チーム数自体は増えていますが、小学生世代のサッカー人口は1400人も減っておりそれがそのまま県内全体のサッカー人口と同様に減少しています。競技人口は過去5年(2014年度から2018年度の間で)14599人から13040人に減少。女子サッカーは少しずつ増えてきているところではありますが、小学生年代と中学生年代が減少傾向にあります。

日本サッカーにおいてもサッカー人口自体の減少もありますが、これには子供の減少も大きな要因になっております。

ただ、沖縄単体では、子供も大人も人口が増えていることを考えると、普及活動をもっと全体で行っていかないといけないのが現状ではあります。と、同時にせっかくサッカーを始めた子たちが、ずっと楽しめる環境作りも必要です。引退や、途中で挫折してしまう、嫌いになってしまう要因を減らし、自分のレベルでサッカーを楽しめる受け皿が必要です。

スクールやクラブチームが増えているということは、受け皿が増えているということでもあります。少ない子供の取り合いではなく、あらゆる取り組みが望めるということでもあります。

ただ前述のとおり、沖縄はサッカー以外の野球、ハンドボール、バスケットボールや、琉球空手、陸上競技なども盛んです。さまざまなスポーツを経験できる土壌もあるので、そうした選択肢が多いこともあります。

これは素晴らしいことだと思うので、どれか一つに絞るのではなく、様々なスポーツ活動を通して、サッカー『も』楽しめる環境作りを目指したいです。

私自身、スポーツメンタルトレーナーの資格と、ドイツのボールを使った幼児体育の資格(バルシューレ)を取ったのも、スポーツを楽しみ、またサッカーにも打ち込みやすい環境作りを実現するためでもあります。

美ら島の可能性

土地があり、自然があり、気候もよく、子供の数も増えている。そして伸び代が沢山ある子供たちです。

沖縄はもとより、世界各国には島出身の偉大な選手も多数います。サッカーで有名なのはスペイン代表でマンチェスターシティ所属のダビド・シウバ選手、また島の空港が自分の名前になってしまうほど、世界的スーパースターのクリスティアーノ・ロナウド選手。

移動にかける時間や、遠征にかかる経済面でのハンディキャップはありますが、そうしたハードルを乗り越えて、子供たちが大きく成長していけることを、強く願うとともに、少しでもいい環境を提供できるように精進していきたいです。

二田水 晶