2018-07-26
育成

利き足と苦手な足で終わらない。

マラドーナ、メッシ、日本では名波、自分の得意な足を特化して、周りを圧倒した選手はいます。苦手な足を練習するより、得意な足を練習して自分の武器を持て!というフレーズを何度となく聞いてきました。

私はその度に疑問を感じずにはいられません。

前述した三人、とくにマラドーナは天才中の天才、メッシと比較されることはよくありますが、時代も違うので比較自体がナンセンスかもしれませんが、世界の歴史の中でも突出した能力があったからこそ、あそこまでの地位を築けたわけで、最初から、そうなれ!と手放しで指導してしまう事にはとても違和感を感じます。

指導者としては、子供たちの可能性を広げるために、苦手なプレーをそのままにせず、少しでも良くなる方法を、その中で武器になることを見出しながら、まんべんなく伸ばしていくことが、分析して指導していくことが大切であって、耳に聞こえのいい言葉にして、本当の意味でその子に必要な気付きを見出せないことは、指導者のエゴにも思えます。

片足しか使えない子の多くにでるプレーの弊害

① ほぼ左側、または右側の得意な方にしか相手をかわそうとしない
② ファーストタッチの足が決まってしまっているので、体の向きが悪くなりやすい
③ 次に蹴りたい足の方向にボールを置こうとするので、視野の確保が一方向になりやすい
④ シュートの時に苦手な足が使えないため、相手にコースを消されていても、強引に得意な足で打つ、もしくは、抜けているのにも関わらず、得意な足へ置こうと、もう一度繰り返してしまう。
⑤ 左右差が大きいので、守備時にボールを奪いに行く足が決まってしまい、ターンが遅くなる

といった傾向がよく見受けられます。

指導中によく、自分から見て、右、左、そして真ん中の三方向をいつも見て、その中で選択肢を選ぶように伝えています。ですがその際に、右利きは右のみ、左利きは左側のみに視野をとろうとしてしまい、実際に、他の二方向へのアングルがほぼとれていない、または見えていないことが多々あります。

特にこれが中学生年代になってしまうと、どうしても改善に時間がかかり、プレーの早さが出てこない、ボールロストの原因になりかねません。ボールをドリブルする際にも、気を付けたいのが、①の状態です。

様々なフェイント、技、を覚えている子が増えていますが、その抜き方が、最後は右、もしくは左に抜く、ということがパターンかしてしまっている子も多くいます。ですが、アジリティーに富んでいたり、その前のボール技術で相手のバランスを崩しているため、どちらにもっていっても抜けてしまう状態にある場合もあります。が、相手のレベルが上がったときに、相手の動きが最後まで見えていないと、簡単には抜けないことが多くなってきます。

これは④にもつながります。シュートのバリエーションが減ってしまいます。

C・ロナウドやメッシなどは、年齢が上がるほど苦手な足でのフィニッシュの精度、クロスの精度が上がっています。その結果、常にゴールを量産しています。いずれにしても

大切なのは認知能力、そしてコーディネーション能力

左右の足の差を少なくするのはプレゴールデンエイジからゴールデンエイジの時期に、たくさんの動き方をトレーニングし、プレーの幅を広げる。体の使い方を広げていくことが大切。そして、これは常に伝えていますが、周りの状況を把握し、判断する。特に把握する、認知する能力を高めること。

これには相手や味方がいる中でのトレーニングがとても生きてきます。コーンをつかってドリブルすることはコーディネーション能力の向上にはつながりますが、認知のレベルはなかなか鍛えることは難しいので、相手や味方が複数いる、グローバルメソッドのなかでトレーニングを積むことが大切です。

最後に、指導者が、ボールを受ける前の状況から、どんなプレーが有効なのかをしっかりと分析し、見極めその子のプレーの結果がミスかどうか、ではなく、どうすべきか、どうとらえるべきかをしっかりと見て考えさせる、理解させる視点も磨くことを忘れてはいけません。

二田水 晶