2018-07-03
育成

どんな育成と練習がいいのか、プレーモデルについて

どんな練習をしたらプロになれますか?大迫選手はどんな練習をしてあんな風になれたんですか?というような質問を受けることがあります。

 

正直、大迫選手がどんな練習を積んできたのかは知らないですし、プロになった子を見たことはあっても、これをやったから、というのは残念ながらわかりません。理由の一つに、よく言われるが、学校やクラブの問題で、一貫指導という形がとりづらいこと。

更には、私たちはこういうプレーモデルと哲学でサッカーやっています、というところは海外に比べて日本はまだまだ少ない。同じクラブであっても、コーチによって志向するサッカーが違うために、2年の頃に出ていたのに、3年になって指導者が変わったら、サッカーが変わり、急にスタメンが変わった、とか。(諸々の事情があるにしても)

主に育成に定評のある海外クラブでは、明確に『うちのチームではこういうサッカーをやる』だからこういうセンターバック(※例 最終ラインを高くし、前からプレスにいくため、DFの背後をカバーできる走力と高さを兼ね備えている)を、またはこういうFW(※例 カウンター主体で縦に速く攻めるために、裏への抜け出しの得意な足の速い選手)を、という風にチーム、またはクラブ哲学に沿った理想とする試合の進め方(プレーモデル・ゲームモデル)があり、それに共通する考え方の監督含めスタッフがいて、その目的に合うような選手を探して来て、育てます。

世界的にも有名な育成をするクラブでは、一番お金をかけているのはスカウト、と言っているクラブもあります。

自分たちのサッカーに見合う、連れてきた選手を育てる。

攻撃的なサッカーを志向するレアルからは優秀なFWが多く、バスク人のみで構成されるという特殊な事情があるビルバオからは、フィジカルの高い屈強な選手が多かったり、テクニカルでスピーディーなサイドからの攻撃が多いセビージャなども多くのサイドアタッカー(サイドバック)を輩出しています。

守備のインテンシティー(強度が高く激しい守備)が高く、ハードワークを求められるアトレティコマドリ―からは優秀な守備選手がいたり、ポルトガルのスポルティング・リスボンはドリブルでの1対1の突破をプレーモデルの一つにおいているクラブで、Cロナウドやナニのような選手が出ています。

このように、どんな練習、ではなくどんなサッカーを求めていくかによって、そのクラブ出身の選手の色が出てくる。そしてその期間も日本のように3年とか6年ではなく、小学校1年から高校卒業までが一つのクラブで過ごせるようになっている。逆に、自分に合わないと感じたら、他へ移るという選択肢もある。

レアルマドリードでは出られなかったからアトレティコに移ったら中心選手になって…といった話はざらにあるし、それが即ち、育成の見る目がない、ということになるのではなく、本人のプレースタイル、クラブのプレーモデル、にもよるということ。(もちろんスカウトの見る目、というのあるではあるが)

クラブの哲学や理念、育成に関する内容は、分厚くまとめられていた。

メキシコのパチューカ、アトラス(あのビエルサがまとめていた!)、スペインのアトレティコマドリ―、レアルマドリ―、ヘタフェetc.
それは特別でもなんでもなく極々当たり前であり、且つ内容は更新されていく。(根幹となる哲学や理念は変わらず、指導する際の考え方、手法の方が時代に合わされる)

ただ一つ間違えてはいけないのが、プレーモデル=自分たちのサッカーをやり続ける、ではないということ。

ドリブルを攻撃のプレーモデルの一つにもっている、というのは誰でも、いつでも、どこでも、ドリブルをするわけではなく、チームとして、こういう状況、狙いをもって仕掛けましょうね。守備ではこういう風にして意識をそろえて奪いに行きましょうね。

というものであって、もしそれが想定通りにいかなかったら、ポジショニングや、周りの関り方などに変化を加えて対応する。対戦相手に応じてアジャストする。それが指導者として、またチーム、翻っては選手の引き出しになる。

日本も地域やクラブの哲学が確立され(その際の言語化がとても大きな課題)あそこからは毎年○○のような選手が出てくるな、とかって話になったら、もっと面白いと思います。

沖縄と北海道がそういう意味では可能性の宝庫だと個人的には思います。

ゼルバサッカースクールでは、グループでのトレーニングを通して、プレーモデルや、仲間とのコミュニケーションの大切さを伝え、自分達のプレーの方向性を一貫して伝えています。また、プレス、リトリート、スライドなどの守備の戦術も理解することで、いまなにをすべきか、の引き出しを増やすことに取り組んでいます。

二田水 晶