2018-06-14
育成

子供たちのプレーの評価をすることについて

子供の頭のうえに?マーク飛んでないですか?

指導者が子供たちのプレーの良し悪しを見るときに、判断基準を持っているかどうか、とても大切です。今のプレーがどういったもので、何が良くて、もしくはどこが良くないのかを評価すること、評価できることは、重要であり、また難しくもあります。更に、それを子供たちや周りに伝えること、説明できるだけの言語能力があるかどうかは、極めて大切です。

導者講習会で、指導者が気を付けなくてはいけないこととして

 

① 自分の欲求、感情でしゃべっている
② こういう選手だから、と決めつけて指導
③ 子どもの年齢に合わせない難しい言葉を使って話す(気付けずいるケースはかなり多い)
④ 前後関係の脈絡がなく、論理的でなく、支離滅裂

こうして文にするだけで、指導者はよくよく子供の心理や発育発達の理解が非常に大切だと同時に、国語力、言語能力は必須。

 

『サッカー』の指導者として

一人の指導者としてこれらの事に関して気を付けることや、学んでいくことは自分自身とても気にしています。ただ、我々は『指導者』ではなく『サッカーの指導者』大大大前提として、サッカーの知識がなくてはいけない。

 

そのうえで、子供たちのプレーの評価を負けているから叱って、勝っているときはご機嫌でしてはいけないし、先入観や相手に伝わらないような自身の主観や経験でしてしまってはいけない。

自分が志向するプレーモデル(サッカーのスタイル)を持ち、プレーモデルに沿ったプレーの分析を心がける。その時に大切なのは、主観ではなく客観性。だれがどう見てもわかる基準を作り、そこから何が良くて、何を気を付けるべきなのかを見つけるだす。

 

参考にしたいオランダサッカーの考え方

選手の理解を促すためのプレー分析として、オランダサッカーはとても分かりやすく示していたので紹介したい。(オランダサッカーの入門編でもあります)

まず、サッカーのプレーの評価において TICと呼ばれるものがあります。

Tはテクニック technique 技術
I はインサイト insight 判断  
Cはコミュニケーション communication

です。   

例1)
AからBへパスを出したときにAはBを狙ってパスを出したのに、パスが敵(相手)の方へいってしまった。
これは単純な技術的なミス Tにあたります。

例2)AがBがマークされていて、Cの方がゴールに近く、フリーなのにBへ出して、相手マーカーに読まれて取られてしまった。
こちらは判断のミスIになります。

 

ここで少しわかりにくいのがCのコミュニケーションですが、日本でもこれはよく言われます。ですが、コミュニケーションの定義とはなんでしょうか?講習会の際にこれは僕自身も講師の方へ質問したのですが、

よく言われるコミュニケーション、オランダではサッカーにおいてどんなことを言うんですか?と。

『おい、そこコミュニケーションとれよ!』 なんてコーチングよく聞きますが、それって何を示しているんですか? 声を出す?アイコンタクト?伝える? しゃべる??講師の方は『オランダでは…と前置きのあと、 自分と相手の間での描くイメージ(プレーイメージ)を共有すること。』だそうです。

 ものすごくシンプルで分かりやすく、客観的に定義されています。

このコミュニケーションこそ、サッカーにおいてはとても大事だと。仲間とやるうえで、自分がどこにボールを欲しいのか、どこに出したいのか、そのイメージを合わせることが力を合わせることになる、チームスポーツの根幹になります。

Aが右からマークされてるから左足にパスをだしたBと、Aはマークされてるから右の奥のスペース(ウラ)へ走ってしまい パスがつながらない。どちらの判断 insightのミスというよりも、コミュニケーションのミスになります。ここの部分を擦り合わせることが大切です。 特に守備でも。

ここの部分を理解することで選手たちは自己認識があがり、自分のプレーにおいて何が足りてないのか、またどこにミスの要因があるかがわかります。特にこのコミュニケーションの部分とインサイトの部分の理解ができることで、グループとしての質が高まります。

主観を排除してトコトン客観性を追求する

私が受講したオランダコーチライセンスの入門部分の話だけではありますが、ここだけでもオランダの歴史の深さを感じます。すべてについてとても客観的に説明できることなんです。

そこに主観=本人の経験や視点や意見 (日本サッカーの良くないところの一つ) の介在をできるだけなくし、誰が見ても、聞いても納得することがとても整理されて分かりやすく 『言語化』されています。

どこかの国の監督の試合後のインテビューのように、我々のサッカー・勢いがなかった・雰囲気に呑まれた・気持ちが足りなかった…といった、それって具体的になんなの?というようなコメントはでる余地がありません。哲学や理念にもなってきますが、こうした取り組みがあることで、ワールドカップにでれなくても、これからの改革に繋がっていくのであろうと、思います。これは主観ですが(笑)

 

今回のワールドカップには出れてませんが、すでに改革に着手しているオランダは、若い世代が主要大会でも優勝したり、復活の兆しが見えています。

 

プレーの評価の基準として

① どんなプレーモデル(やりたいサッカー)をもっているのか
② プレーモデルに沿ったT/I/Cの理解
③ 選手の年代に合わせた論理的な説明力、言語力

 

ゼルバサッカースクールではこれを一つの指針として指導に当たっています。

二田水 晶